島イロ図鑑 #005

島イロ図鑑 スモモの写真

奄美の自然の中で見つけた色を、書き手の想いにのせて綴るストーリー。

「スモモ」

和色名:深緋色【こきひいろ】
Color Code: #C9171E
RGB: R201 G023 B030
CMYK: C26% M100% Y99% K0%
和色名:深緋色【こきひいろ】 Color Code: #C9171E RGB: R201 G023 B030 CMYK: C26% M100% Y99% K0% 画像

梅雨が明け、奄美に本格的な夏が到来しようかという六月の初めになると、果物屋の店先に並びはじめる真っ赤なスモモ。奄美のスモモは、花螺李(ガラリ)という台湾原産の種類です。

果肉部は甘く、皮が酸っぱい味。小さい頃から食べている私は、熟して甘くなったよりも実がパキッとして酸っぱいうちが大好きです。脳は特徴的な味を記憶として覚えていて、スモモと聞くだけであの酸っぱい味を思い出し、唾液が出てしまいます。もちろん、追熟させて甘くなったものもおいしいですね。

完熟させてそのまま食べるか、ジュースやジャム、スモモ酒に加工して食すのも好まれます。我が家ではスモモのジャムが定番です。

スモモは、漢字で「李」と書き、有名なことわざに「李下に冠を正さず」ということばがあります。これは、スモモの木の下で冠をかぶりなおそうとして手を上げると、その上になっている実を盗むのかと疑われるから、そういうところで紛らわしいことをしてはいけないよという意味です。みんなが大好きなスモモならではの教訓。疑われるような紛らわしい行動には要注意ですね。

さて、今回私が選んだ色は「深緋色(こきひいろ)」。深緋とは、赤に少し紫の入った暗めの色で「緋」すなわち赤の落ち着いた色です。赤い実が熟して黒くなっていくときの色として古くからあった色です。奈良時代、「袍(ほう)」すなわち着物の色で階位を表わし、深緋色は上から四つ目の第四位の色として高貴な色の代表でした。

買ったばかりの時は緋色のスモモは、しばらく置いて追熟させると、さらに高貴な濃い深緋色に。汁を飛ばして洋服につかないようにして、今年も奄美の旬を味わいましょう。

このエッセイは平成30年7月発行のマチイロマガジン49号より転載しました。




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