我が家の三献(サンゴン)

マチイロマガジン62号photoessay「それぞれの三献を♪」連携

奄美の料理愛好家で、奄美市公民館「島のお菓子」 講座の講師。奄美の料理とその背景文化を紹介し、著書に『心を伝える奄美の伝統料理』などがある泉和子先生が、マチイロマガジンで連載中のphotoessayから最新号(62号)の「それぞれの三献を♪」と連携して、泉和子先生のレシピ「我が家の三献(サンゴン)」を本サイト、マチイロウェブにて公開します。

ご家庭で三献を作る際の参考にされてください。

マチイロマガジン62 泉和子 三献レシピ

一の膳(赤椀、餅の吸物)

材料

5人分
椎茸・・・・・5枚
出し昆布・・・・・10g 
削り節・・・・・30g
水・・・・・5と1/2カップ
塩・・・・・小さじ1
薄口しょう油・・・・小さじ1
酒・・・・・小さじ1
餅・・・・・5切れ
里芋・・・・・5個
魚(白身)・・・・・5切れ
沖縄蒲鉾・・・・・5切れ
車海老・・・・5匹
卵・・・・・3個
フル(ニンニクの葉)・・・・1本          

作り方
  1. 椎茸は洗い、椎茸が浸るぐらいの水で戻しておく。
  2. 出し昆布は布巾で拭き、繊維に直角に切り込みを入れ、30分以上水に浸す。蓋をしないで弱火にかけ、沸騰直前に出し昆布を取り出し、沸騰させて削り節を加え、再び沸騰したら火を止め、削り節が沈んだら布かキッチンペーパーでこす。
  3. 2.に塩、薄口しょう油、酒で味をととのえ、吸い地を作る。
  4. 椀種を準備する。(出し昆布は3cm角位に切る。餅は4cm角位に切り、軽く焼く。里芋は洗って塩ゆでにし、皮をむく。魚は厚身のものに薄塩をして焼く。蒲鉾は1㎝位に切る。車海老は塩ゆでにして皮をむく。卵はゆでて花形に切る。1.の椎茸はヘタを切り3.の吸い地でさっと煮て、取り出す。フルは3~4cmの長さに切る。)
  5. 椀に4.の椀種を入れ、熱々の3.の吸い地を張る。 

豆知識
  • 吸い口(島みかんの皮、柚子皮など)は好みで入れます。
  • 1.の戻し汁はとっておき、他の料理に使います。

二の膳

材料

5人分
刺身(白身)・・・・10切れ
生姜・・・・・5切れ
しょう油・・・・・適量
酢・・・・・適量

作り方
  1. 三枚に下ろした魚を大きめの刺身に切り、皿に2切れ盛り付ける。
  2. 1.に薄く切った生姜を1切れ添え、しょう油、酢を好みで出す。

豆知識
  • 島では古くから、生もので新鮮なものをブイン(不塩)といい、気候や保存の関係で、酢漬けや、酢をかけて食べます。

三の膳(黒椀、肉の吸物)

材料

5人分
鶏肉・・・・・半羽
水・・・・・6カップ
塩・・・・・小さじ1
薄口しょう油・・・・小さじ1
大根・・・・・500g
人参・・・・・150g 
アオサ・・・・・適量
ネギ・・・・・1本

作り方
  1. 鶏肉は水から火にかけ、アクをすくいながら一時間位中火で煮る。
  2. 1.を布かキッチンペーパーでこし、身の部分は椀種に使う。
  3. 1.に塩、薄口しょう油を加え、味をととのえ吸い地を作る。
  4. 2.の鶏の身を一口大に切り、大根、人参はさいの目に切ってゆで、アオサは水で洗い、ネギは小口切りにしておく。
  5. 椀に4.の椀種を入れ、熱々の③の吸い地をはる。

豆知識
  • 吸い物を頂くときは、お祝いの場合は蓋の裏を上にして膳におく。

三献は、始めに家族全員にお酒が回り、高膳の昆布と干魚に盛り塩につけて頂きます。一の膳(餅の吸い物)が運ばれ、家長の「オショウロ(どうぞ)」の掛け声で頂きます。再びお酒が回り、二の膳(刺身)を頂いた後、お酒が回り、三の膳(肉の吸物)を頂いて儀式を終えます。

正月寅年イメージ