ヒトと微生物の戦いは、まさに「軍拡競争」

現時点では終息が見えない新型コロナウイルスについて、KADOKAWAさんのサイトカドブンに、「新型コロナウイルスはなぜ発生したのか、いつ収まるのか」について、『感染症の世界史』著者石弘之さんへのインタビュー記事が載っていたので一部転載してご紹介します。

カドブン より

石 弘之氏とは

1940年生まれ。東京大学卒業後、朝日新聞入社。96年より東京大学大学院教授、ザンビア特命全権大使などを歴任。主な著書に『地球環境報告』『感染症の世界史』ほか多数。


そもそも「コロナウイルス」とはどういったものですか。

石:コロナウイルスはごくありふれたウイルスです。風邪の原因ウイルスは数種類ありますが、私たちが日常的にかかる風邪の 10 ~ 15 %は、コロナウイルスによって引き起こされています。 

コロナウイルスが最初に発見されたのは 60 年ほど前のことです。風邪の患者の鼻から見つかりました。ただコロナウイルスの歴史は非常に長く、遺伝子の変異から先祖を探ると、共通祖先は紀元前 8000 年ごろに出現していたようです。以来、姿を変えてコウモリや鳥などさまざまな動物の体に潜りこんで、子孫を残してきました。

今後の流行をどうみていますか。

石:感染症の拡大パターンについては、さまざまなシミュレーションが行われてきました。2 つの予測を紹介しましょう。

新型インフルエンザ流行のときに、国立感染症研究所がつくった感染拡大のシミュレーションがありますが、これには背筋が寒くなりました。

ある男性が新型インフルエンザにかかって電車で出社すると、4 日後には 30 人だった感染者が 6 日後には 700 人、10 日後には 12 万人に広がるという結果でした。むろん、コロナウイルスがこうなるとは限りませんが。

もう一つ、「スモール・ワールド現象」といわれる数学的なシミュレーションがあります。小説の題材になり、TV番組でも取り上げられました。米国の心理学者ミルグラム教授が、米国中部のネブラスカ州の住人 160 人を無作為に選び、東海岸の特定の人物に知り合いを伝って手紙を受け渡せるか、という実験をしました。

その結果、わずか 6 人が介在すれば、まったく知らない人にまで届くことができました。各国の同様の実験でも同じような結果でした。

つまり「人類は 6 人が仲立ちすればすべて知人」ということです。手紙をウイルスに置き換えてみてください。容易ならざる事態であることは理解いただけるでしょう。

画像・記事共にカドブンより転載
https://kadobun.jp/feature/interview/9yhcdzonav40.html


新型コロナウイルスの流行について楽観視した記事や、政府の小・中・高校臨時休校要請に対する批判などを見かけますが、このインタビュー記事を読む限りは「容易ならざる事態」であるようです。

しかしながら煽りとも捉えられるワイドショーや、デマからの第2のオイルショック現象など、パニック状態に陥るのは避けたいところ。

冷静に情報を取捨選択し、「正しく恐れ」たいものです。


石 弘之氏へのインタビュー記事全文はこちら

https://kadobun.jp/feature/interview/9yhcdzonav40.html