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菊次郎 志を受け継いだもう一つの「西郷伝」その七 - machi-iro magazine
明治36年(1903年)、台湾から帰国した菊次郎は鹿児島で静かな日々を過ごしていた。あの西南の役から26年。風景は様変わりし、穏やかな鹿児島の西郷邸にて久しぶりの妻久子と五人の子供たちを交える一家団欒の日々。しかし鹿児島での静けさとは逆に、日本にはロシアとの関係悪化という暗雲が近づきつつありました。明治27年(1894年)の日清戦争に勝利したのち、清の遼東半島が一度は台湾同様、日本に割譲されたのですが、その後ドイツ・フランス・ロシアの三国干渉により、遼東半島は清に返還して一部を租借することに。ところが返還するやいなや、上記の三国そしてイギリスを含めた四カ国が日本以外にも遼東半島の各地域を清から租借するようになります。結局、清に味方すると思わせておきながら東南アジア同様の欧米植民地化が進む一方でした。