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大島紬の明日 | マチイロウェブ - machi-iro magazine
幼い頃は、祖母の紬工場に通った。親子ラジオから流れる島唄に、蝉しぐれが重なる。工場の板張りはヒンヤリとして、規則正しい機の音と共に午睡に誘う。かつて奄美の基幹産業とも生命産業とも言われた大島紬の苦境については、既に語り尽くされた感がある。奄美で生まれ育った者はみな、大島紬にまつわる風景に郷愁を禁じえないが、今そこには、諦観と犯人捜しにも似たアンタッチャブルな空気さえ漂っている。大島紬は死んだのか?そんなはずはないと信じるから筆をとる。いざ探訪 —