島イロ図鑑 #004

奄美の自然の中で見つけた色を、書き手の想いにのせて綴るストーリー。

「蘇鉄」

和色名:常盤色【ときわいろ】
Color Code: #007B43
RGB: R000 G123 B067
CMYK: C86% M41% Y94% K3%
常盤色ときわいろ Color Code: #007B43

私の住む笠利町万屋には、山の斜面一面に緑のさとうきび畑が広がっています。さとうきびは、漢字で書くと砂糖黍。文字通り砂糖がとれる黍です。見た目から竹に近いのかと思われがちですが、実は黍の名の通りイネ科の植物なのです。

奄美では、ウギと呼ばれ、さとうきび刈りのことをウキハギと言います。私も小さい頃は、短く切ったさとうきびをしがんで、甘い汁をすすっていました。さとうきびの汁は、濃いお茶のような色をしていて、甘い中にもヨモギのような草の香りもする自然の甘味料です。

奄美での本格的な製糖シーズンは糖の乗ってくる年明けから。小さな製糖所では、サタ小屋と呼ばれる場所で年中黒砂糖を作っているところもあります。出来立ての黒砂糖は、柔らかく香りも良く絶品です。

さて、ここからは色のお話し。黒砂糖は茶色なのに、なぜ黒砂糖と言うのでしょうか?諸説ありますが、精製された白砂糖と区別するために、白の反対の黒とつけたのだと私は考えています。英語では見た目の通りブラウンシュガーと呼ばれています。

今回私が選んだ色は「路考茶(ろこうちゃ)」。歌舞伎役者の二代目瀬川菊之丞(通称「王子路考」)が「八百屋お七」という演目で着た衣装の色から来ている色と言われています。ウグイス色に茶色が交じった色は、さとうきびのジュースを煮詰めた黒砂糖の色に近い色ですね。

このエッセイは平成29年12月発行のマチイロマガジン48号より転載しました。




かつ しんいちろう 昭和39年生まれ。奄美市入舟町出身。サイバー大学IT総合学部教授、NPO法人離島経済新聞社理事、鹿児島県奄美市産業創出プロデューサー。

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