島イロ図鑑 #002

島イロ図鑑 バンシロウ

奄美の自然の中で見つけた色を、書き手の想いにのせて綴るストーリー。

「バンシロウ」

和色名:鴇色【ときいろ】
Color Code: #f4b3c2
RGB: R244 G179 B194
CMYK: C0% M27% Y20% K4%
和色名:鴇色【ときいろ】

大学に入ったばかりの私は、生協の食堂で「グァバ」と書かれたジュースを棚に発見。パッケージに描かれた果実の絵は、バンシロウにそっくり。買って飲んでみると、「あげ、バンシロウじゃがね。」と思わず島口が出ました。18歳にして初めてのグァバジュース体験でした。

父方の実家の庭にはバンシロウの樹があり、毎年夏の終わりに沢山の実を付けていました。奄美では生垣にも植えてあることも多く、特徴のある甘くて鼻の奥をくすぐる香りがすると、思わずキョロキョロしてしまいます。

バンシロウの実は、外側の皮は黄緑色をしており、中身の身はピンクと白の2色があります。「私はピンク派!」「私は白派!」という会話も島ならではかもしれません。味や甘味は木や実の熟れ具合によって異なり、色での区別は難しいというのが私の感想です。

皮のままでも、皮を剥いて食べても美味しいですし、水を加えミキサーにかけて布巾で濾してジュースにするのも抜群です。最近は、島でもグァバジャムを作っているところがあり、トーストしたパンにバターと合わせると、何とも南国な味と香りです。是非お試しを。

ミカンコミバエが好む果実らしく、2015年のタンカンやポンカンの出荷制限の際、バンシロウの実も移動制限がかかりました。この時のこともあって、今ではあまり積極的にバンシロウを植えないのだと農家の方から伺ったことがあります。

今回私が選んだ色は「鴇色(ときいろ)」。美しいスタイルと色の鳥、鴇(朱鷺とも書く)の風切羽のような少し黄色がかった薄くて柔らかい桃色です。バンシロウのピンクは、ピンクに染まる奄美の夕焼けの色にも見えます。

このエッセイは平成29年11月発行の横浜DeNAベイスターズ 2017年秋季奄美キャンプガイドより転載しました。

かつ しんいちろう 昭和39年生まれ。奄美市入舟町出身。サイバー大学IT総合学部教授、NPO法人離島経済新聞社理事、鹿児島県奄美市産業創出プロデューサー。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です