泉和子さんが伝授するおすすめシマ料理三品。

泉和子さんが伝授する
おすすめシマ料理
三品。

ブタミシ

ブタミシ写真

材 料(4〜5人分)

  • 米:3カップ
  • 出し昆布:10g
  • 塩豚:200g
  • 卵:3個(油少量)
  • パパイアの漬物:50g
  • ミカンの皮:少量
  • ワケギ:5本
  • きざみ海苔:5g
  • 干し椎茸:10枚(2カップの水で戻す)
  • おろし生姜(好みで)
  • [A]みりん:大さじ2
  • 濃口しょうゆ:大さじ2
  • [スープ]水:2ℓ
  • 干し椎茸:10枚(2カップの水で戻す)
  • 出し昆布:10g
  • かつお削り節:20g
  • 塩:小さじ1薄口
  • しょうゆ:大さじ1

作り方

①米を洗って、ザルにあげておく。
②干し椎茸を洗って2カップの水でもどしておく。
③沸騰したお湯で塩豚を10分ぐらいゆで、1cm角に切る。
④パパイアの漬物をみじん切りにする。
⑤ミカンの皮をみじん切りよりも細かくする。
⑥ワケギを小口切りにする。
⑦①に出し昆布を拭いて入れ、③の塩豚を加えて少し固めの水量で炊く。
⑧②の干し椎茸を煮出し、千切りにして[A]で煮含める。出し汁はとっておく。
⑨水から出し昆布を入れ、沸騰したら取り出し、かつお削り節を入れてひとふきしたらアミでしずかにこして⑧の出し汁を加え、塩と薄口しょうゆで味をととのえスープを作る。
⑩ご飯が炊けたら、裏うちしてむらす。
⑪卵を割りほぐし、錦糸卵を焼く。
⑫丼にご飯を入れて具材を乗せ、加熱したあついスープをかけて食べます。

コラム

ブタミシは、主に北大島で作られてきた伝承料理です。
江戸期、薩摩藩の慶事で上鹿する時に、塩豚などをお土産として持参していた記録が残されています。
保存のきく塩豚は、冷蔵庫のなかった時代にも対応してきた優れた食材です。
『シマヌジューリ』の著者、藤井つゆさんは、「奄美の代表的な料理と言えば、鶏飯や豚骨などをすぐ思い浮かべますが、私は最も奄美的な料理として、このブタミシをあげたいです。」と書いています。

 

雑魚の油ぞうめん

雑魚の油ぞうめん 写真

材 料

  • そうめん:6束
  • 雑魚(煮干し):40g
  • ニラ:40g
  • オリーブオイル:大さじ6
  • 薄口しょうゆ:大さじ4
  • お湯:カップ1杯

作り方

①鍋にそうめんをゆでるお湯をたっぷり沸かす。
②ニラを洗って約3㎝の長さに切る。
③お湯が沸騰したら強火のまま、そうめんの束をといて1度にパラパラと入れ、箸ですばやくかき混ぜ、固めにゆでてザルにとり、流水でぬめりをもみ洗いしてザルにあげる。
④フライパンにオリーブオイルを熱し、雑魚をきつね色になるまで炒める。
⑤④に②のニラを入れてさっと炒めて香りを移し、お湯と薄口しょうゆを加えたら、③を入れて素早く炒めて味をなじませる。

コラム

そうめんは『大和村誌』によると、いつごろ奄美大島に入ってきたのかは不明ですが、江戸時代の砂糖との交換率や1830年、1859年の品物の値段からみると、そうめんは100匁(375g)で黒砂糖3斤(約1800g)なので、そうめんは島民にとって貴重品であったと考えられ、そうめんを使った料理は汁ものとして出されていたようです。最近では、「油ぞうめん」が一般的に知られるようになり、農作業時のマドム(ロ)ン(間食)や旧盆のお供え、旧暦八月のアラセツ行事ほか、日常の食卓にも多く上るようになりました。旧盆の15日に、そうめん料理がお供えされるのは、ご先祖があの世へ帰る時にご馳走を素麺で束ねて帰るためだといわれています。また、お祝いやお盆などハレの日には、「そうめんの松葉揚げ」が作られました。

*参考文献『大和村誌』

 

山羊汁(味噌仕立て)

山羊汁(味噌仕立て)

材 料

  • 山羊肉:1㎏(ぶつ切り)
  • 玉葱:3個
  • 水:5ℓ合わせ
  • 味噌:120g
  • 生姜:30g
  • ワケギ:3本

作り方

① ザルに、ぶつ切りにした山羊肉を入れて熱湯をかける。
② 大きめの鍋に水3ℓと山羊肉を入れ、強火で炊き、沸騰したら弱火にして、アクをとりながら1時間程度煮込む。
③ スライスした玉葱と皮をむいて摩り下ろした生姜の絞り汁を②に入れ、水2ℓを加えて弱火で1時間程度煮込む。
④ 火を止め、味噌をとく。
⑤ 小口切りにしたワケギを散らす。

コラム

シマでは旧暦6月の頃には、「六月ヒンジャー(山羊)」といって若草を食べているせいか味がよいので、山羊汁で酷暑を乗り切ると言われてきました。
山羊肉には独特な臭いがあるため、山羊汁は、最も好き嫌いの多い料理の一つかもしれません。逆に臭いに惹かれる通の方は、塩で味を調えたほうが美味しいと言いますが、初めての方にも食べやすいように、内臓を入れず、臭みを取るため、玉葱・生姜を入れて作りました。中に入れる野菜は家庭によって違い、デコネ(大根)・シブリ(冬瓜)・フツィ(蓬)など好みのものを入れて作られます。
今回は遠い日、母が作ってくれたわが家の山羊汁を紹介します。私は山羊汁が苦手だったのですが、夏風邪をひいた時、思い切ってスープだけ飲んでみました。体が芯から温まり元気になったあの時の記憶が、台所の換気扇の音とともに甦ります。夏バテ防止や滋養強壮にぜひ、お試し下さい。

レシピ・写真提供:泉 和子/協力:奄美新聞社

レシピは全て奄美新聞掲載「泉和子・今に生きる島料理」の写真、及び資料の加筆・修正したものを使用。また、現在発売中の『奄美の伝統料理』にも収録しています。

・泉 和子さんの著書「奄美の伝統料理」は、楠田書店にて好評発売中。
遠方の方はこちらからどうぞ。

・奄美新聞 http://amamishimbun.co.jp

 

これはボックスのタイトルです。

Profile

郷土料理研究家

泉 和子 さん

泉和子さん写真東京に4年暮らし、奄美大島に帰郷、実家の旅館を手伝う。山下欣ー氏が主宰した奄美民俗談話会に入会し、奄美に伝承されている「ハナシ」に関心を持つ。共著に『龍郷町誌民俗編』、『大和村の昔話』など。年中行事の調査や『ホライゾン』の執筆などをしているうちに、自然に「シマ料理」と関わるようになる。行事食や日常の主食、副食、マドムン(間食)など、記録に残されているものや母親、友人、知人、集落の方々から教わり伝えられたものを再現し、研究に繋げている。自然食フードコンサルタント。

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このレシピ記事は、2015年発行のマチイロマガジン40号より転載しました。

 

 

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